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久しぶりにお外の可愛らしいケーキ屋さんでケーキを食べた。
三度目。
産後は、初。
ぎりぎりまで息子くんがふにゃふにゃ、おっぱいおっぱいだったから、ぎりぎりまであげて、なんとなく目がとろんとしてきたところで、時計とにらめっこしながらベビーカーに乗せて、いざ出陣。
ベビーカーにのせられたとたん、不満そうに目を開けて、またふにゃあっと泣いたけれど、動かしているうちにすやりと眠り込んだ。
お外に出ると基本眠ったりおとなしくするから、そとっつらが良い子だ。本当。
彼繋がりで知り合いになれた、お友達。
背が高くてふんわりした可愛らしい人。
せっかく仲良くなったのに、今は家もお互い歩いて数分なのに、もうじき引っ越してしまうらしい。さみしい。
女の子同士でおしゃべりするってどうしてこんなに楽しいんだろう。わたしが女子校出身だからっていうのもあるのだろうか。
美味しい三種類のケーキにバラの花びらがふわりと浮いた生クリーム。
ストロベリーの香りがするノンカフェインの紅茶はポットで出て来る。
カップをそっと持ち上げて紅茶を飲むと、ソーサーには可愛らしいブルドッグが描かれていたりする、上品なカフェであり、ケーキ屋さん。お気に入りのお店。
もともと可愛いものが好き。女の子もしかり。
今までどこに愚痴ればいいのだ、たまっていく一方だと思っていた、彼のこと、彼のおかあさんのこと、とか、秘密の話をたくさんした。
また、秘密の話をしてくれた。
かぐわしい紅茶の香りにまぎれて、女の子の楽し気な秘め事の言葉はゆらゆらと空気へ溶けて消えていく。
周りのお客さんも女性だらけ。年は20代から60代まで。
でも基本的に、カップルよりは女性同士で来ている人の方が多い。
甘くて可愛いケーキと、美味しい紅茶の湯気の合間には、可愛らしい女の子たちの秘め事が小さく、けれどあちらこちらで満開の花を咲かせている。
桜色の爪をもった人差し指を、バラ色のつやりとしたくちびるにもっていって、少しだけ、キスをねだるような形にする。
そんな仕草が似合う、すてきな時間だった。
女の子同士の会話ほど、愉しいものはない。