つらつら、つら

ぼーっとしてると言われるのでそのぼーっとを文字にしてみようと。たぶんそんな内容。

苗字が変わってもわたしの家族、実家の幸せのために何ができるか

もっと早く気付けばよかったと思う。

 
親孝行なんて、真面目に考えてなかったんだと今なら気付ける。
 
初任給でイタリア料理をご馳走したくらいで、親孝行をしたなんて、おこがましい。
もっともっと、やってあげるべきことがたくさんある。
今なら……。
 
こないだ、息子くんと一緒に実家に戻った。
雨の日だった。
曇りの日だった。
じめりじめりとしていた。
 
実家は薄暗い感じがした。
お兄ちゃんもお姉ちゃんも、弟もいなくて、人がいないならその分電気もつけていないのは当たり前だった。
 
ソファが広々してるのも当たり前。
廊下が、台所が、リビングが広々してるのも当たり前。
 
犬が久しぶりの涼しさに気持ちよさそうに伸びていた。
前より少しお年寄りな顔をして、網戸越しに外を見ていた。
 
生の明るさが少なくて、家族でお昼を食べて夕飯を食べて。
ついでにお風呂まで入ったけれど。
 
息子くんの泣き声があれだけ明るく響き渡るのに驚いた。
生の輝かしさだった。
 
しみじみと、お母さんとお父さんが、赤ちゃんは神様みたいだと言った。
 
これから何にでもなれる。
まるで神様だ、と。
 
親不孝で心配ばかりかけて。
一時期はデパスも飲むくらい摂食障害をひどくして。
 
それでも見捨てず、何とかなるから、と支え続けてくれた両親。
 
ある日突然子どもを作って結婚して家を出て行ってしまったわたし。
 
赤ちゃんがお腹にいるとわかったとき、一番初めに嬉しくて泣いてくれた、お母さん。
 
たくさんの幸せばかりの子ども時代を送らせてくれた。
 
いま、苗字が変わってしまったわたしは何ができるんだろう。
 
まずは息子くんは、大きく育てる。
 
それから?
 
それから……今はまだ働いていないけど、やっぱり金銭面で楽をさせてあげたい。
 
自営業のせいで、まだ借金がある。
無くなり始めてもまたすぐにできる。
 
会社と従業員と家族の生活を守るために、必死。
 
どうしてあんなに頑張っているのに、いつまでも苦しいんだろう。
 
いつかいつか。
 
必ず楽をさせてあげるから。
待っていて。