実家5日目。夢を見た。
和室で寝ているのだけれど。
最近夜何度も目がさめる。
でもそれは、妊娠後期9ヶ月にもなると、当たり前だと思うし、上の子の時もそうだった。
昼夜問わず眠れるし、はっと起きるし、と言う感じ。
産後の3時間おき授乳に体が準備し始めんだなって思う。
その日もぱちって目が覚めた。
まだ暗い。薄暗いとかじゃなくて、暗い。から、きっとまだ夜更け。
横にあるiPhoneを見ようとした。
何時かなって。
ライン、主人から来てたかなって。
でも体が動かなかった。
目を開けたすぐ目の前には、和室の天井が広がっているんだけれども、天井にこれでもかというほど、蝶がいた。
青、青紫、紫、群青、黒紫……。
ふわっさふわっさと天井にとまりながら、優雅にはねを動かしている。
鱗粉が、降りそそいでいる。
そんな幻が見えるくらい。
直径10センチ以上あるいくつもの夜色の蝶がバサバサバサバサ。
飛び回ってるわけじゃないけど、天井で体を休めてはねを見せびらかすように、閉じて、開いて、閉じて、開いて。
声をあげそうになって、鱗粉が降ってきていそうで、とっさに横になったまま右手をあげた。
また声をあげそうになった。
わたしの右腕が、藤色に染まって。
ぼこぼこと、ぐしゃぐしゃ、と、
変色していた。
右腕を凝視して、何か諦めた気持ちになる。
蝶の毒にあたったのかもしれないと思った。
目をつむった。
上げていた右腕を、下げる。
次に目を開けたら、朝だった。
当然右腕は、なめらかな白い肌で、横ではむすこが目を開けていた。
そんな朝だった。