つらつら、つら

ぼーっとしてると言われるのでそのぼーっとを文字にしてみようと。たぶんそんな内容。

都会に出ました

こんなに長い時間、離れたのは本当に初めてだった。

都内の夜の電車も久しぶり。

電車に乗る仕事でどことなく疲労感を漂わせた人達にまぎれながら、ゆらゆら振動にヒールのある白いサンダルを履いて耐えていた。

こんなに、電車って揺れるっけ。

こんなに人が多いものだっけ。

 

中高の頃はもっとラッシュの時間に乗っていて、それこそ息ができない思いなんて日常茶飯事でしていたのに。

慣れないとこうも新鮮に、強い衝撃になるんだな、とびっくり。

 

一緒に行った友達は、中学一年生の頃からの友達で。大好きな子で。

もう何があってたぶんずっと友達なんだろうな、という子。

 

中高六年間、同じところで同じ空気を吸って過ごした友人とは、もう離れられないのだと思う。私立の一貫校は、設備や環境が整っているけれど、それを当然のこととして受け入れていたわたしたち生徒にとっては、何よりも素晴らしいと思った点は、六年間という長い思春期の時間すべてを一貫して同じ友人たちと味わえるところ、かもしれない。

蜂蜜色の夕暮れの教室も、どこからかなる吹奏楽部と弦楽部の音色、ソフトボール部の掛け声、一つの教室に必ず一つあるピアノから流れる旋律。

 

話が逸れちったよ。

 

でね、映画の試写会、行ったの、つまり。

 

上で述べたみたいな、濃密な時間を一緒に過ごした友達だったから、二人で、息子君と彼なしで会うだけで、もう制服を着ているような気持ちになった。

 

映画はとってもおもしろかった。とってもとっても。

『バケモノの子』

 

バケモノの子 (角川文庫)

バケモノの子 (角川文庫)

 

 宮崎あおいの手足の長さ細さは遠目からでもよく分かった。

染谷翔太は意外と背が小さいのね。

広瀬すずは声がとても可愛らしくて、でも、ヒロインの声を聞いた途端、あ、広瀬すずがやってるんだ、とわかったから、ヒロイン楓が広瀬すずにしか感じなくて。それが少し残念でした。

 

主人公の男の子が本当に可愛い、そしてカッコイイ。

負けず嫌いで素直。

頑張り屋。

 

そりゃ、どんどん強くなって魅力的な大人になるわけだ。

 

バケモノの世界に迷い込むシーンは、少し千と千尋に似ているように感じてしまったけれど、本質的な面白さはこの作品はそこではないし。

あの男の子が出てきた時点で、あれ、なんでバケモノの世界なのに・・・て思って若干推測ついてしまったけれど、

 

それでも全部ひっくるめて面白かった。

 

今年の夏はジブリやらないし~と思っていて、だからこそバケモノの子は楽しみで、でも息子くんがいるから無理だなあって思ってたので、見れて、本当によかった。

わがままを聞いてくれて、夜、息子くんを見ていてくれた彼に感謝です。

離れてはじめて気がついたけど、もう、息子くん忘れて楽しむことなんてできないんだな、と。

だいたい胸が張るし痛いし。

心配でしょうがなくなったよ。

 

 

 

 

 

PS

東京国際フォーラムに向かう途中。

オフィス街で、おしゃれなテラス付きレストランカフェ、のようなところで、仕事バリバリしているような女の人二人が、カフェタイムを楽しんでいた。

高そうなキャラメルラテみたいな、コーヒーフロートみたいな、ハイセンスで美味しいものを片手に、かっこいい洋服を身に着けて。都会の女の人という感じ。

 

わたしはもう二度と、自分ために自由にそういう高い飲み物を少し飲んだり、そんな場所で本を読んだり、自分の稼いだお金で自分を美しく着飾ることができないんだろうなあと思って、もうそういうルートがなくなってしまったことに、改めて気が付いた。

わたしの友達はみんな、そういうルートへ行く道をまだもっているのに。

 

一つを選んだら、一つは選べない。

そんなものだ。

 

全て欲しがるのは昔からのわたしの駄目なところ。

よくばりめ。