バレンタインに作ったケーキを、進んで食べてもらえない人より。
首下から腰の付け根まで余すところなく痛い。
背中も腰もお腹も。
そこはかとなく、いたい。
痛くてよくわからなくて、もう眠って意識を手放してしまいたい。
痛がってると気を使わせてしまいそうで、それも嫌で、ひとりになる。
書く。
悲しかったのはたぶん、私の実家に行こうってなったとき。
その日仕事するんだった…の一言が原因だったのかもしれない。
行きたくないなら来なくて大丈夫。
早く緊張しないようになってほしい。
そうするにはたくさん行くしかないんだけど。
でも来てもらうという、感覚は、いや。
それなら、私ひとりだけで行く。
お腹の中で動いてる。
中の子がとてもとても、大切だけど、たまに全て、なかったことにしたくなる。
あの二階建てのお家に戻って。
窓際で、日向ぼっこ。
椅子の上にワンコを置いて、背中にガスストーブの温風がゆるゆるとあたる。
読んでいた新聞がカサカサはためく。
ワンコもわたしも、陽だまりの暖かさに目はトロトロ。
そのうち誰かが帰ってきてくれる。
弟か、お母さんか、お父さんか…。
散歩に行きなさいって言われるだろう。
でも言われたら行けばいい。
まだ今は。もう少しこのまま。
確かにあったあの現実が、夢の中のことのように、はちみつ色に染まってる。
保護されていたところから、保護するところへ行かなければならない。
護られていたところから、護るところへ行かなければならない。
ひとりで戻ってばかりいたら、いつまでも変われない気がして、だから二人でと思ったのだけど。
かなしくなると、眠るかお風呂に入るか、言葉にするかして、考えることをやめないといけない。
やめないといけない。