つらつら、つら

ぼーっとしてると言われるのでそのぼーっとを文字にしてみようと。たぶんそんな内容。

市の心理士さんとの相談会

年中になった息子。

 

昔から、大変な子だった。

でもこの大変さは1人目だから、

いろいろと私が慣れてなくて大変なんだと思っていた。

実母にあなたはこうじゃなかった、あなたの弟もこうじゃなかった、と息子を見て驚かれた。

それでも、どうしてこんなに大変なのか、どうすれば解決するのかわからなかった。

 

例えば、外へ出てイヤイヤが発動すると本当にどこでも寝っ転がって大泣きしてその場から動かなくなった。

それがずっと、続く。

さすがにその場に転がっているのは15分くらい(親が抱っこして移動させるから)だけど、それでも、一度そのイヤなことが起こると、それがずっと後を引いて、

1時間くらいはぐずぐず泣いている。

 

幼稚園の見学に行っても、全くじっとしなかった。

そういう子は他にもいたから、さほど心配しなかったけれど、

わたし自身が息子を追いかけ回すせいで先生の話を聞けないのは、ちょっと困った。

 

そして、今、年中になり、彼はサッカーを習っている。

とにかく、コーチの説明を聞けない。

「赤いカラーコーンまでドリブルして、そのあとあちらのゴールにシュートする」と

コーチが丁寧に、実際にやってみせて説明しても、自分の番が来ると、できない。

なぜなら話を聞いていないから。

幼稚園の先生からも「製作のやり方を説明して、聞いてはいるみたいなのだけれど、

実際にじゃあやってみてね、とやると、

「ねえどうやってやるんだっけ?」と聞かれる事が多い」と説明を受けた。

 

気のせいかもしれない。

周囲全員から

「そのうちよくなる」

「成長すれば変わる」

「子どもはみんなそんなもの」

と言われる。

わたしの気にし過ぎ…とずっと思っていた、悩みながらも。

 

でも、最近やっと、息子と話をして市の相談会に行くことができた。

息子に、どうしてお話を聞けないんだろうと聞いてみたら、

息子が、自分でもわからない、と答えてくれたから。

どうしたらいいのか、わからない。でも、できない、と話してくれた。

 

年中の息子は、もうひらがなとカタカナが読めて、簡単な計算ができる。

そういった良いところがたくさんある。

知的部分だけじゃなく、泣いている子がいたら必ず率先して自分のものを譲ってあげたり、泣き止むよう行動したり、そういう行動もできる。

わたしが娘を叱ると「妹ちゃんは可愛いんだからそんなに怒っちゃだめ!」と言うこともできる。

 

 

そういう良い部分が、このままだと埋もれて消えてしまうと思ったのだ。

話が聞けない、

言うことが聞けない、

おしゃべりしてはいけないときに話してしまう、

自由に行動してはいけないときに動いてしまう…

 

そういうことが重なれば、いくら素敵なところがたくさんある子でも、

注意され続けてしまう。

そうなったら、いつも否定されると感じて

「ぼくはなにもできない」と思ってしまうかもしれない。

本当は、全然違うのに。

 

市の相談会に参加した結果、療育に相談してみることになった。

知能は6歳以上だと言う。

(正確なところは息子のやる気が途切れて、途中で検査が中止になったのでわからない)

 

市の心理士さんは「理解力もあるし、指示の意味もわかっている。

でも、全ての刺激に反応してしまって、指示が右から左へ流れてしまうのだと思う」

と説明された。

 

普通の子なら、指示を出している人を見て、その人の言うことだけに集中できる。

でも、目から入る刺激、耳から聞こえる刺激、肌から触れる刺激、など、

すべての刺激にどうしても反応して、指示がよくわからなくなってしまう子がいて、

息子くんは多分、そういう傾向が強い、と。

脳が他の子と少し違うから、誰のせいでもない、仕方のないこと、と説明された。

 

コロナでこれからどうなるかわからないけれど、

とりあえず療育とコンタクトを取ることになった。

 

今度、療育の電話相談を受ける。

そのあと、実際に療育に息子と訪れるかどうか、決まる。

 

いま、正直、ほっとした気持ちだ。

 

このままでは、わたしは息子をしかり続け、注意し続け、

息子の良いところを軒並みダメにしていく未来をうっすらと感じていたから。

それがすごく怖かったから。

 

実母には「りょういく⁉ そんなの行かなくていいわよ、気にしすぎよ。息子くんみたいな子って普通にいるじゃない」と言われた。

 

そりゃあね、いるよ。いるのよ。でもそういう問題ではない。

じゃあ、お母さんはそういう子が社会人になってどうなったのか、実際に知ってるの?

全員が全員、生きにくさを感じずに、うまく溶け込んで、

楽しく社会生活を送っているって、言える?

 

わたしだって、自分の子じゃなければ

「そういう子いるよね、ちょっと落ち着きが無い子」って笑顔で終わった。

でも、自分の子だから、そうはならない。

 

将来、生きにくさを感じて職を転々とするようになるかもしれない。

何をやってもうまくできないと劣等感に苛まされてしまうかもしれない。

生きる気力がなくなって人生に絶望するかもしれない。

 

そんなふうに、息子に感じてほしくない。

得意なこと、好きなこと、

輝ける場所、認めてもらえる場所、

信頼できる人、信頼してくれる人、

そういったものに、たくさん出会って、

辛いこともあるかもしれないけど、楽しいことはたくさんあるって知ってほしい。

 

小学生まであと2年。

あと2年じゃ、時間は足りないのかもしれない。

でも、まだ2年ある。

わたしが足踏みしていたせいで、遅くなってしまったけれど、

一方踏み出せて、よかった。

 

これから、本当に療育に通うことになるのか、まだわからないけれど。

この一歩が良い方向に向かうと信じたい。

 

息子には怒ってばかりだし、注意してばかりだけど、すごく愛おしい息子なのだ。

髪の毛はまだ柔らかくてふわふわで、日に焼けたほっぺももっちりしていて。

ふとした瞬間にそんな息子をなでて、抱きしめる。

照れくさそうに「なあーにいー?」って返事をしてくれる息子を、本当に愛している。

 

これから、彼の笑顔がもっともっと増えますように。